高齢者のサルコペニアとフレイル

サルコペニア?フレイルってなに?
高齢になると「体力が落ちた」「ちょっとした段差でつまずく」といった変化を感じる方が増えてきます。
その背景には サルコペニア や フレイル と呼ばれる状態が関わっている可能性があります。
今回は、この2つの状態について整理していきます。
サルコペニアとは
「サルコペニア」とは、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する状態を指します。
具体的には、歩行速度が遅くなる、握力が弱くなる、椅子から立ち上がるのに時間がかかるなど、日常生活に支障をきたすレベルの筋力低下です。
サルコペニアは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)や寝たきりのリスクにつながることが知られています。
フレイルとは
フレイルは「加齢に伴って心身の活力が低下し、要介護状態に近づいているけれど、まだ回復可能な状態」を指します。
サルコペニアが筋肉量の低下に着目した概念なのに対し、フレイルは身体的・精神的・社会的な要素も含む、より広い概念です。
フレイルには次のような兆候があります。
- 体重減少(意図せずにやせてきた)
- 筋力低下(握力が弱い)
- 疲労感(なんとなく疲れやすい)
- 歩行速度の低下
- 活動量の減少(外出が減る、家にこもりがちになる)
これらが複数当てはまると「フレイル」と判断される可能性が高くなります。
サルコペニアとフレイルの関係
サルコペニアとフレイルは密接に関係しています。
サルコペニア(筋肉量や筋力の低下)が進むことで、フレイル(身体機能の低下、活動性の低下)につながるケースが多いのです。
つまり、サルコペニア対策はそのままフレイル予防につながります。
予防・改善のポイント
サルコペニアやフレイルを防ぐために重要なのは、次の2つです。
1. 適度な運動
- 筋トレ(スクワット、椅子からの立ち上がりなど)
- 有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング)
- バランス運動(片足立ちなど)
「きつすぎない程度」で続けることが大切です。
2. 栄養の確保
特に たんぱく質の摂取 が重要です。
肉、魚、卵、大豆製品などを毎食バランスよく取り入れることが望ましいです。
また、ビタミンDやカルシウムも筋肉や骨の健康維持に役立ちます。
まとめ
- サルコペニア=加齢による筋肉量・筋力の低下
- フレイル=身体的・精神的・社会的に脆弱になった状態
- サルコペニアとフレイルはつながっており、運動と栄養で予防・改善が可能
✅ 高齢期でも「筋肉は育て直せる」ことが研究で示されています。
日常生活に軽い運動とたんぱく質を取り入れて、元気ですこやかな毎日を過ごしましょう。