日本人に多い乳糖不耐症

牛乳といえば「カルシウムが豊富で体に良い」というイメージを持つ方が多いと思います。確かに栄養価の高い飲み物ではありますが、一方で「飲むとお腹がゴロゴロする」「下痢をしやすい」と感じる人も少なくありません。これがいわゆる乳糖不耐症と呼ばれる状態です。

乳糖不耐症は、牛乳などに含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素「ラクターゼ」がうまく働かないことで起こります。赤ちゃんのときは母乳を消化するためにラクターゼがしっかり機能していますが、成長とともに徐々に活性が低下していきます。

そのため、一般的に 若年層よりも高齢者の方が乳糖不耐症の割合は高い と考えられています。若いうちは牛乳を飲んでも平気だったのに、年齢を重ねると急にお腹を壊しやすくなる…というケースはまさにこの仕組みが影響しています。

また、日本人は特に乳糖不耐症が多い人種で、報告によれば成人の7〜8割に乳糖不耐症の傾向があるとされています。つまり「牛乳を飲むとお腹が不調になる」というのは、決して珍しいことではないのです。

ただし、乳糖不耐症には大きな個人差があります。若い頃から牛乳が合わない人もいれば、高齢になるまで特に症状が出ない人もいます。

では、乳糖不耐症の可能性がある人はどうすれば良いのでしょうか?

最近では、乳糖をほとんど含まない ホエイプロテインアイソレート(WPI) や、乳成分を使わない ソイプロテイン といった製品が普及しています。こうしたタイプを選べば、乳糖不耐症の人でも安心してたんぱく質を補給できるでしょう。